楽しいらぁ伊豆半島

伊豆急行・黒船電車

伊豆急行・黒船電車

伊豆半島東海岸を走る伊豆急行線。海風きって走る、鉄道の旅に行ってみませんか。
伊豆在住7年のYOUが気の赴くまま、ゆらりゆらりと
ローカル線の旅、思いっきり楽しんできました。。。

いつか女性が運転する時代がきたら…

1993年12月、日本初の女性電車運転士が誕生した。その2期生となる運転士が伊豆急行の小林みどりさん。下田市爪木崎で育ち、静岡県立下田南高等学校卒業。
インタビューを通して、この仕事が小林さんの天職だと思わずにはいられなくなったのです。

1994年4月伊豆急行に入社

女性運転士を希望する人の有無を尋ねられ、迷わず手を挙げました。電車運転士イコール男性のイメージが強い中で、いつか女性が運転する時代が来たら、是非やってみたいと思っていました。

躊躇(ちゅうちょ)しなかったのは、日本初というプレッシャーや難しさよりも、運転したい!という、まっすぐな気持ちがあったからですね。

今でこそ、女性運転士は珍しくなくなりましたが、当初は女性だからと不安がられることもありました。「女性だ!」と喜んでもらえるときは嬉しいです。

故障を直したり、女性では難しい面はなかったですか?

ありました。しかし、男性と比べ力は劣っても、運転の条件は性別に関係なく、知識と経験が重要ではないかと思います。たとえ何かに遭遇しても、案外女性は肝がすわっていたりして!?(笑)

頼もしいですね。他に普段気をつけたり、心がけていることはありますか?

まず第一に、お客様を目的地まで安全に輸送する事です。そして、お客様に安心していただける様に、指差確認喚呼をてきぱきと大きな声で行います。それから、体調面の自己管理にも気をつけています。私が休めば誰かが私の代わりに運転する事になるので、迷惑をかけない様に気をつけています。そして優しい運転を心がけています。

他に楽しんでいただくためのサービスなどはありますか?

お客様に旅を楽しんでいただける様に、伊豆の景色をゆっくる見ていただけたらと、海沿いを走る時は定時運転に支障がない範囲で少しスピードを落としたりしています。

そんな心遣いがあったなんて知らなかったです。そういったことも素敵なサービスの一部ですね。

電車でしか味わえない旅を

伊豆ローカル線の旅について、伺わせてください。

車でお出かけになる方も多いですが、電車は時間の目途がたつこと、電車でしか味わえない旅があると思うんです。伊豆沿岸の景色を眺めながら、ゆっくり旅を楽しんでいただければ。。。

伊豆は温暖な気候にくわえて、温泉や山と海に囲まれた自然環境。そして、美味しい食材の宝庫でもありますね。

田舎だけれど、春は桜・夏は海・秋は山の紅葉・冬は水仙など、恵まれた環境にある伊豆が大好きです。

電車から眺めるオススメの景色を教えてください。

そうですね。たくさんありますけど、トンネルを抜けた瞬間に、バァーっと広がる片瀬白田の海岸線がとても好きです。天気がよければ伊豆諸島も見えますし、夜は星がきれいなんですよ。

星を見ながら乗る電車を想像すると、ロマンティックですね。

一度の人生、人の役にたちたい

伊豆急行の魅力を教えてください。

私の考えている、こらからの伊豆急行の理想をお話してもいいですか?
今は、何につけても上質なサービスが求められる時代です。その中で福祉の面も、もっと考慮していかなくてはいけないと思うのです。
ソフト面では、当社は駅・案内所係員と車掌全員が、お体の不自由な方のお手伝いをする「サービス介助士」の資格を取得し、おもてなしの心をもってお客様の対応をしています。また、ハード面ではバリアフリーなど、お身体の不自由な方への配慮はなされていくなか、聾唖(ろうあ)の方へサービスが十分でないと感じています。
電車内に案内表示機はありますが、緊急時や、悪天候による運行中止の放送などが聞こえず、不自由をされている方もいらっしゃいます。筆談器だけでは解消できない問題だと思うのです。


そうですね。確かに今は上質なサービス、分け隔てのないサービスが求められていますね。

一度の人生、人の役に立ちたい。そう思った事がきっかけで、手話を勉強し、検定試験(全国手話検定試験)に合格することができました。現場でコミュニケーションをとったり、伊豆急行で旅をしてよかったと言っていただけるよう、心のこもったサービスを提供して、少しでもお役に立つことができるととしたら嬉しいです。
駅や電車は、伊豆の玄関口でもあります。お客様に喜んでいただき、伊豆のイメージを良くする事につながる会社になっていきたいと思っています。

やりがいのある素敵な仕事

唐突な質問ですが、小林さんは、鉄子(鉄道マニアな女性)ですか?(笑)

(笑)マニアではないですけど、電車の運転が大好きなんです。好きな車両は、今は走っていませんが100系のハワイアンブルーの車両が好きでした。

これから運転士になる方へのメッセージを。

一度きりの人生、大好きな運転ができることに、とても感謝しています。やりがいのある、素敵な仕事だと思います。自分の夢をつかむ為、がんばって下さい。

取材者より

日本初の女性電車運転士誕生という、広告塔として見られていた時代を過ぎ、女性だから心配という不安の声は、小林さんをはじめとする女性運転士が、16年間で培った信頼と努力で薄れていったように思う。
プロとしての自信と、ポリシーを持った凛とした姿が印象的な小林さん。取材者の私たちを、見えなくなるまで手を振って送ってくれた姿に、小林さんの人に対する接し方、インタビューの中の言葉ひとつひとつに、真実味が感じられました。
電車の窓からゆっくり景色を眺めたり、地元に住んでいると見過ごしがちな、素晴らしい環境で暮らしていること、無条件に美しい景色がそこにあることに、改めて気づかせてもくれました。