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2010年02月15日

国宝「紅白梅図屏風」科学調査に関する研究会

100215.jpg熱海市桃山町のMOA美術館が所蔵する尾形光琳の代表作で国宝の「紅白梅図屏風(びょうぶ)」について、新技術による材質分析の結果、金地の部分は金箔(ぱく)と判断するのが妥当で、なおかつ水流の部分には全体的に銀が存在する--という研究結果が示された。14日、同館能楽堂で開かれた紅白梅図屏風の科学調査に関する研究会で、専門家が報告した。
屏風の技法・材料に関しては、従来多くの学説が提唱されていたが、同館が東京文化財研究所の協力で平成14〜15年に実施した科学調査で▽水流のほとんどの部分から銀は検出されない▽金地の部分から検出された金の測定値は微量でかつ一定しない--などの結果が示され、金箔と思われていた背景の金地は金箔ではなく、水流部分は型であるという説が広まった。
この調査結果は注目を集め、本当に金箔ではないのか--という疑問の声が多く、技法や材料に関する謎が残されていたことから、同館は20年度から文科省の科学研究費の補助を受け2次調査を開始。新技術を用いた検証のほか伝統工芸技法の視点からも検討を進めた。
研究会では東京理科大の中井泉教授が「新技術による無機材質分析」、吉備国際大の下山進教授が「可視--近赤外反射スペクトル非破壊分析法による調査結果」、昭和女子大大学院の増田勝彦教授と女子美大の宍倉佐敏非常勤講師が「紙の材質」と題して発表した。
中井教授はデジタル顕微鏡や蛍光エックス線分析装置、粉末エックス線回折計など最新の装置を用いて検証した結果、金地の部分には、特徴的な金箔のような一様の光沢が確認され、結晶は配向して金箔と同一の結晶面が出ており、さらに箔足部分は金の厚みが約2倍になっていることを説明し「金地は金箔と判断するのが妥当」とした。水流については、銀色の部分から金属状態の銀を検出し「少なくとも水流に銀が使われていたことは間違いない」と報告した。
下山教授は水流の黒色に見える部分について「藍(あい)の存在は認められなかった」とし、紙の材質の調査を行った増田教授と宍倉講師はそれぞれ「日本の間合紙」「中国の竹紙」と異なる見解を示した。

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