MOA美術館 30周年記念
2012年01月25日

国宝・紅白梅図屏風
尾形光琳 江戸時代(18世紀) 二曲一双 各 156.0×172.2センチ
光琳が宗達に私淑し、その画蹟に啓発されながら独自の画風を築き上げたことはよく知られている。水流をともなう紅梅・白梅の画題や二曲一双の左・右隻に画材をおさめる構成のやり方がそれである。また、のちに光琳梅として愛好される花弁を線描きしない梅花の描き方や構成、樹幹にみられる「たらし込み」技法、更に他に類を見ない水紋など優れた要素が結集し、琳派芸術の特徴たる高い装飾性を携えている。
このたびの「所蔵名品展〔絵画・書跡〕」は、開館30周年企画の華を飾るに相応しく、当館コレクションの中でも一際優れた作品を厳選し、一堂に展示する。
MOA美術館学芸部
今回の所蔵名品展では、CGによって復元された「紅白梅図屏風」も展示されています。「国宝 紅白梅図屏風」は昨年、最先端技術を使った科学調査が行われ、背景には金箔、流水の部分には銀箔が使用されていることが明らかとなりました。その結果に基づき再現されたレプリカによって、完成当時の姿を知ることができます。絵画的・写実的な紅白の梅と、工芸的・デザイン的な流水の対比が美しく、尾形光琳の最高傑作ともいえる「紅白梅図屏風」。ぜひ、近くに展示してある実物と見比べてみてください。また、展示室は写真撮影禁止となっていますが、階段前にあるこのレプリカは撮影が許可されているため、カメラや携帯電話を構える人の姿が多く見られました。デジタル顕微鏡やX線解析など、科学調査の詳細もパネルで解説されているので、こちらもお見逃しなく。
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重文 無準師範墨跡 「帰雲」
二文字 中国・南宋時代(13世紀)紙本墨書 一幅 31.5×86.5センチ
無準師範(仏鑑禅師 1178〜1249年)は、中国南宋時代の禅林中、最も傑出した禅僧である。時の皇帝理宗に召されて禅の要諦を説き、仏鑑門照禅師の号を賜った。わが国の学僧も多く無準の門下に参学し、京都東福寺開山・弁円円爾(聖一国師)がその法を嗣いだことは特に有名である。この因縁により、東福寺には円爾へ贈られた無準の墨跡が多く伝来し、額字19点などが現存している。正和五(1316)年に作成された東福寺古文書の『仏鑑禅師御筆額字目録』には46点の額字の名が見え、古く寺外に出たものが少なくないことがわかる。本図の墨跡も、そのうちの一つと思われ、堂額などに用いる原本と推定される。後に徳川家の柳営御物として伝来した。
MOA美術館学芸部
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重文 継色紙
伝 小野 道風 平安時代(10世紀中期)紙本墨書 一幅 13.4×26.9センチ
『万葉集』や『古今和歌集』などから秀歌を撰した未詳の歌集の断簡である。本来は色紙ではなく、粘葉装の冊子本であった。見開きの部分のみに料紙二枚にわたって和歌が一首書写され、ちょうど色紙を継いだように見えるので継色紙と呼ばれる。継色紙の名称は、江戸時代後期の『古筆名葉集』(文化元〈一八〇四〉年刊)や『増補新撰古筆名葉集』には見えないので、比較的新しい時期に名づけられたものと思われる。本図の一葉は、『古今和歌集』巻第十七雑上の歌で、自然な趣きのある、余白美を十分に生かした散らし書きは見事である。また、独特の草仮名を使用しているのにも特色がある。継色紙は、三色紙の一つとして古筆中、屈指の優品であり、茶室の掛物としても愛玩され珍重されている。
MOA美術館学芸部
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花鳥図
伝 銭選 中国・南宋〜元時代(13世紀)絹本著色 一幅 25.7×25.7センチ
中国花鳥画の伝統は古く唐代に溯るといわれるが、それが小景の鑑賞画として完成するのは宋時代のことである。特に北宋時代末の徽宗皇帝によって創られた画院の様式は、構図の安定、写生の徹底、余白の活用などを特色とし、静かな画趣が重んじられたが、南宋時代も進むと、画中の鳥獣の表現に動きが強調され、墨線が重視されるようになる。この図では、蜂をねらう野びたきの描写に、瞬時の緊張感が見事にとらえられており、梅樹や竹葉には、鋭く的確な線描が生かされている。色調に淡彩が目立つ点などから、南宋時代も末期以降の作と考えられる。
MOA美術館学芸部
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重文 平兼盛像
佐竹本三十六歌仙切 鎌倉時代(13世紀)紙本著色 一幅 36.5×58.0センチ
現存する歌仙絵のうち、元は秋田藩主佐竹家に伝来した佐竹本と呼ばれる二巻の歌仙絵巻が最も古いものとされる。本図の平兼盛像は、上巻の最後に描かれていた。平安時代末期に始まる人物描写の個性的な表現は、鎌倉時代に入っていっそう各人物の特徴をよく示すようになり、似絵と呼ばれるようになるが、その代表的なものがこの佐竹本三十六歌仙絵巻である。目鼻立ちには簡潔で的確な線が伸びやかに施され、眉の描写では細線を数回引き重ねて豊かな表情が表されるなど、優れた技巧を見ることができる。
MOA美術館学芸部
