ぐるり魚ッチング #02
2011年11月30日

炉ばた焼きで、好んで食べられるホタテガイ。昔の人は片方の殻を帆のように立て、舟のように泳ぐ貝をイメージしたのだろうか。「帆立」と名付けられているが、アキタガイの別名もある。砂礫の海底で、波でできたさざなみ模様をした「うね」のところに生息していることが多い。細砂底は少ないようだが、大増殖したときはその限りでなく、本来あまり好まない泥っぽいところにまで進出する。
彼らはアサリのように海水を出し入れする管はなく、両殻をわずかに開いて呼吸する。俗に「ひも」と呼ばれる外套膜の縁には短い触角がびっしり生え、その間に30以上の小さな眼が輝いている。敵と思われる影を感じるとさっと殻を閉じるが、天敵はヒトデである。しかし、彼らにとって、もっと恐ろしいのは人間ではなかろうか。標識放流で30キロ移動したものもいて、跳躍運動能力は驚くばかりである。
〈撮影地 石川・能登島〉
(2011年7月20日 伊豆新聞掲載)
エゾアワビは「蝦夷」と名が付くように北海道、東北地方、日本海の冷水域に生息する。伊豆海域のアワビに比べ、成長した個体でも殻が薄い。しかし、わが国のアワビ漁の40%を占めている。クロアワビの寒冷地に分布する亜種で、両者の染色体は変わらないが、遺伝的独立性の違いから別種と認められている。
アワビは交尾をしない。産卵は夏。白い精子も緑色の卵も、オス、メス各個体の殻の上にある煙突のような孔から放出される。体外受精で、卵径は0.2ミリほど。精子は卵のまわりの厚いゼリーの中に入り込み、そして受精する。受精卵は12時間ほどで卵形の幼生となり、ふ化する。1週間もすると海底に降り、這い回り、成長しながらさらに快適な場所に移り、夜行性の生活をするようになる。身を食べるだけでなく、貝殻は器として利用されている。
(2011年8月3日 伊豆新聞掲載)
生きた化石といわれるカブトガニは古生代のカンブリア紀より現生まで、その姿形をあまり進化させることなく、ひっそりと生き延びてきた原始的な動物といえる。
体の後ろの尾節が後方に突出して剣状となるところから剣尾類と呼ばれ、節足動物のなかのクモの仲間に一番近い関係にある。
かつて広範囲に分布していたが、沿岸の埋め立てなどで生息環境が破壊され、今では生息数がいちじるしく減少している。九州北岸の内湾部と、瀬戸内海沿岸のごく限られた海域にしか生息が確認されなくなった。
遠浅の砂泥底を好み、冬は沖合の水深20メートル前後の海底で過ごす。夏になると浅い湾内に移動してきて、夜間は活発にゴカイや二枚貝を捕食する。
(2009年11月4日 伊豆新聞掲載)
