上野&尾崎のカメラ散歩

 

グッドデザイン大賞のカメラ・オリンパスXA2とキャノンT50

最近よくグッドデザイン・Gマークのついたデジタルカメラのカタログを見かけるのですが、上野さんグッドデザイン・カメラについて教えてください。

上野)グッドデザイン賞は、「デザインを活用して社会全体を推し進める」事を目的にしたデザインの評価・推奨制度です。日本産業デザイン振興会が毎年「デザインに優れた製品・物事」を対象に一定数選出しています。制度の創設は1975年に現在の経済産業省が創設したグッドデザイン商品選定制度が始まりです。
グッドデザイン賞を受賞した製品はGマークを付けて広告宣伝などに利用する事が出来ます。
現在、デザイナーや建築家等が審査員を務め、受賞審査を行っており受賞率は約30%とされています。更に受賞製品からベスト15の金賞や特別賞などがあり、2005年以降はベスト15の中からグッドデザイン大賞が一般投票で決められています。
2009年のグッドデザイン大賞は、「岩見沢複合駅舎」が受賞、2008年度はトヨタのコンパクトカー「iQ」でした。

尾崎)2009年度にグッドデザインを受賞したカメラは、何と10社27機種もあります。大多数の方は驚かれる程の受賞率です。フィルムカメラも1機種受賞しておりこれも驚きです。

27機種ですか、すごく多いですね。デジタルカメラの新製品はすべて受賞しているのではないですか。

2009年グッドデザイン金賞 LUMIX GF1

2009年グッドデザイン金賞 LUMIX GF1

尾崎)そんなことはありませんよ。金賞受賞は1機種でパナソニックの「LUMIX GF1C」です。パナソニックのライバル機種で宮崎あおいさんのCMで人気の「オリンパスEP-1」は、残念ながら金賞には選ばれませんでした。
フィルムカメラは、富士フィルムの中判カメラ新製品「フジGF670 Professional」です。

「LUMIX GF1C」と「オリンパスEP-1」は同じタイプのレンズ交換式デジタル一眼レフでデザイン的にはオリンパスも優れていると思うのですが。

尾崎)審査員コメントでは、世界最小のレンズ交換式デジタル一眼レフで時代にニーズに対応して女性のハンドバッグに入れられるハンドリングの評価。コンパクトカメラでは実現できない撮影者の表現力開放に貢献しているとしています。私も個人的には「オリンパスEP-1」が好きですね。フィルム名機の「オリンパスペンF」の文化を継承している点が評価出来ますね。

2009年グッドデザイン賞 フジGF670 Professional

2009年グッドデザイン賞 フジGF670 Professional

2009年グッドデザイン賞 オリンパス EP-1

2009年グッドデザイン賞 オリンパス EP-1


上野)富士フィルムはフィルムカメラで頑張りますね。たしか特別賞のロングライフデザイン賞も富士フィルムが受賞していますね。6×8判の「フジGX680Ⅱ Professional」ですね。尾崎さんの持っているカメラではありませんか。

2009年ロングライフデザイン賞 フジGX680Ⅲ Professional

2009年ロングライフデザイン賞 フジGX680Ⅲ Professional

尾崎)いやいや、私のカメラは「フジGW670Ⅱ Professional」で観光地の写真屋さんが集合写真用に使用していた「弁当箱」とのニックネームで呼ばれていたカメラです。
このカメラを三脚にセットして観光地をウロウロしているとよく同業者に間違えられました。挨拶されたりして。
「フジGX680Ⅲ」はアオリ機構のついた商品撮影用を主目的としたスタジオ用カメラです。「フジGX680Ⅲ」はボディのみで33万円、1997年12月発売ですから13年目に入ったロングラン製品です。

上野)13年は素晴らしいですね。最初のモデルから数えると20年になるようでロングラン一眼レフ・ニコンF3,ペンタックスLXと並びましたね。

いままでにグッドデザイン大賞を受賞したカメラはあるのですか。

グッドデザイン大賞カメラ オリンパスXA2・キャノンT50

グッドデザイン大賞カメラ オリンパスXA2・キャノンT50


オリンパスXA2

オリンパスXA2

上野)1981年にグッドデザイン大賞を受賞した「オリンパス XA2」と1983年のキャノンの一眼レフ「T-50」の2機種のみです。
「オリンパス XA2」はレンズカバーがスライド・バリア型のコンパクトカメラでXAシリーズの2作目でコンパクトカメラの新しい潮流を作った名機でした。

尾崎)「オリンパス XA2」は専用ストロボ「A11」も受賞対象になっていますが、現在でも通用するなかなかのデザインです。
私も保有していますが、D-ZUIKO 35mm F3.5のレンズが優秀で一眼レフと遜色無い写真が撮れます。34.000円でワインレッド、ブルー、ブラック等のカラーバリエーションもありました。
今日、持って来ましたが、グッドデザイン大賞受賞カメラだけに今でも通用するなかなかのデザインですよね。

わつ、素敵なカメラですね。各色揃えたいですね。

尾崎)この「オリンパス XA2」中古カメラで余り人気が無く4.000円位から買えますよ。

一眼レフのキャノンT50はどんなカメラですか。

尾崎)「キャノンT50」も今日持って来ました。

上野)尾崎さんは何でも持っているのですね。キャノンTシリーズは確かキャノンのベストセラー機「AE-1」(1976年) 1981年のフラッグシップ機「ニューF1」の後に登場した普及機シリーズですね。「T50」は初心者向けのフルオート機、83年に登場した「T90」はプロにも多用されたTシリーズの最高機種になりました。

キャノンT50

キャノンT50

尾崎)キャノンTシリーズは従来の一眼レフのイメージを破った未来派志向の一眼レフでペンタプリズム部への社名、機種名表記が斬新な印象を与えました。この斬新デザインが受賞理由でしょうね。
特に「T50」は単純明快なTTLプログラムオート専用機として誰もが一眼レフ写真を楽しめる事を製品開発コンセプトとしています。発売価格はボディのみで45.000円、35〜70mmのズームレンズ付きで80.000円と普及機としてはかなり高めの価格設定でした。
私の「T50」は、2009年9月に「イズハピ」の取材を兼ねて新宿の中古カメラ店巡りをしている時に3000〜8000円特価品コーナーで見つけました。ボディのキズも無く、ファインダー及びレンズもクリアな良品が標準レンズ付きで何と3000円、グッドデザイン大賞を受賞した唯一の一眼レフをその場で救済してしまいました。

グッドデザイン大賞カメラを二台とも保有されたのですね。

上野)尾崎さんは、掘り出し物の名人ですね。
しかし、3000円は安いですね。ボディもレンズも全く使用感がありませんね。ファインターもゴミ一つ無いですね。この標準レンズ・キャノンFD50mm f2も傷もチリ混入も無いですね、このレンズだけでも5000円はしますね。

尾崎)いや、本当に掘り出しものです。

上野)キャノンは、この「Tシリーズ」の後、ハピコさんも持っているオートフォーカスの「EOSシリーズ」へと展開していくことになりますね。尾崎さんは日本の戦後カメラ史に残る名機を集めてカメラ文化を残そうとしているのではないですか。

尾崎)日本のカメラ文化を残す等、そんな高尚な目的はありませんよ。
ただの「カメラ好きのおじさん」いや「老人の小遣いの範囲内」での趣味、コレクションで歴史的カメラが忘れられていくことに異論がある事は事実ですが。
中判カメラでの撮影行に「今回の遊びカメラを何にしようかと」カメラ保管庫を覗くのが楽しいですね。

尾崎さんは撮影行の時にかなりの台数を携行されると以前お聴きしましたが

尾崎)海外に夜景撮影に行く時は、メーンカメラのペンタックス645ⅡとサブカメラのニコンF6そして夜景撮影地の日中ロケハン用のデジタル一眼レフ・ペンタックスK20が基本です。これに遊び用のカメラを1台持っていきます。 雑誌「日本カメラ」のパンケーキレンズ記事を書いた時に基本構成に加えてパンケーキレンズ付き一眼レフを4台持ち込んだ時のハプニングがあります。
パリ・ドゴール空港で手荷物のスーツケースが最初に手荷物カウンターから出てきて、さっさとピックアップして他の搭乗者よりも早く韋駄天走りに空港出口から出ようとしたところ。「到着便の旅客では無い怪しい人物」と思われ手荷物検査となりました。カメラバックには前述カメラが7台、密輸業者と思われたらしく「インボイス・輸出証明書」を見せろと迫られました。
「私はプロ、撮影用の機材」と説明しても「こわそうな担当者」はなかなか納得しません。
そうそう押し問答していると、同じ便の日本人搭乗者がにぎやかに出口を通過し始めたので「こわそうな担当者」も諦めて「しぶしぶOK」となったケースがあり、これ以降、カメラは4台までに制限しています。

カメラ7台を持っていると確かに業者に間違えられますね。

尾崎)カメラバッグを開けて「Oh, You are Richman」等のジョークが聴ける楽しい空港もあるのですがね。




グッドデザイン大賞カメラ・オリンパスXA2で撮るドイツ ガルミッシュ・パルテンキュルヒェン フレスコ画の街


ガルミッシュ・パルテンキルヒェンの夜景(ペンタックス645NⅡ)

ガルミッシュ・パルテンキルヒェンの夜景(ペンタックス645NⅡ)

ドイツの最高峰・ツークシュピッツェ(2962m)は、スイス・インスブルックとドイツのノイシュバンシュタイン城のあるフュッセンの中間にあり、ミュンヘンからローカル電車で約一時間の町・ガルミッシュ・パルテンキルヒェンから登山電車とロープウェイで山頂に登る事が出来る。ガルミッシュ・パルテンキルヒェンは夏の登山、冬のスキーと年間を通じて賑わう人口2.5万人程度のリゾート地で、このガルミッシュ・パルテンキルヒェンとひと駅隣のバイオリン産地のミッテンヴァルトはフレスコ画を描いた美しい街並みも見どころである。
2009年、ツークシュピッツェ撮影のためにガルミッシュ・パルテンキルヒェンに3泊した事がある。あいにくと低気圧が停滞して3日間とも山は雲中で、それではとフレスコ画の撮影にシフトした経過がある。登山装備のためにカメラは最低限の装備で街並みスナップに大活躍したのがグッドデザイン大賞カメラ・オリンパスXA2である。
目的としたドイツ最高峰の撮影は出来なかったが、フレスコ画の小さな田舎町でのんびり出来た事で満足した想い出がある。
ミュンヘンから乗り換えなしの一時間、週末は特急列車も乗りいれており個人旅行も容易である。また、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンはドイツの田舎料理が安くて美味しい事も魅力である。
(写真・テキスト 尾崎)

  • ミッテンヴァルトの街並(オリンパスXA2)
  • ミッテンヴァルト バイオリン・ミュージアム(オリンパスXA2)
  • フレスコ画の住宅・ミッテンヴァルト(オリンパスXA2)
  • ミッテンヴァルトの住宅(オリンパスXA2)