上野&尾崎のカメラ散歩

 

パリの中古カメラ店巡り

黄昏のヴォージュ広場

黄昏のヴォージュ広場

6時閉門のためにライトがついた光景の撮影が難しい。

夜景を撮りに年3~4回、パリに出掛ける。日中のロケハン、夕方からの撮影の繰り返しとなるが最終日は夕方の帰国便までフリーになり、幾つかの時間の過ごし方をその日の気分で変えている。
パターンの一つが中古カメラ店巡り、ホテルに荷物を預けて11時頃チェックアウト、メトロ1号線のセントポール駅からリボリ通を300m程歩いてヴォージュ広場に向かう。
アンリ4世が1612年に創った東西140m、南北127mの方形広場は、王の館、王妃の館、等で四方を囲まれた左右の均整がとれた大変素晴らしい小広場でパリ市民にも人気の憩いの場所になっている。

ヴォージュ広場

ヴォージュ広場

アールヌーボーの街灯が雰囲気をかもしだす。

また、広場の周囲を取り囲む建物の一階はアーチが連続するアルカードとよぶ回廊になっており、この屋根付きの片側商店街は、その後パッサージュと呼ばれるガラス屋根のある商店街へと発展することになる。アルカードはヴォージュ広場以外でもリボリ通等の18世紀・新古典様式の建物に見る事が出来る。
日本では、このアルカードをアーケードと呼んで大通り商店街に採用されているがアーチ構造のアーケードを見る事は全く無く、「偽」アーケードである。
ヴォージュ広場のアルカードには、レストラン、画廊等が入っていてブラブラ歩きには最適である。アルカードを一周して、広場の写真も数枚撮ってからベンチに座り、パリ市民に交じって朝ホテルで作ったランチボックスでのんびり昼食。

リボリ通りのアルカード、連続アーチが美しい。

リボリ通りのアルカード、連続アーチが美しい。

新緑の季節はベンチが緑に覆われ気分は最高。

新緑の季節はベンチが緑に覆われ気分は最高。


昼食後、本命の中古カメラ店巡りを開始、広場から東に100mも歩くとバスティーユ広場から北に延びるボーマルシェ通に出る。ボーマルシェ通を北へ200mも歩くと目的地メトロ8号線・シュマン・ベール駅に着く、この駅を中心に約8軒の中古カメラ店が軒を並べていてカメラウォッチングが楽しめる。

シュマン・ベール駅前のライカ専門店

シュマン・ベール駅前のライカ専門店

私が積極的に探すのは、輸出専用の珍しい日本製品。オートフォーカス一眼レフが主流になった1990年以降も写真後進国の東欧、中南米、東南アジアではマニュアルフォーカス一眼レフに対する需要が残り、ほとんどのメーカーがこうした需要に答えて輸出専用機を作っている。これらの写真後進国は電池供給の問題もあり、各社は電子シャッターでは無く、電池不要の機械式シャッター搭載機を製品化している。「今更、機械式マニュアル一眼レフ?」として自社生産を嫌った各社は当該分野を得意したカメラメーカー・コシナからのOEMで対応した。

プロを対象とした大型・中古カメラ専門店

プロを対象とした大型・中古カメラ専門店

コシナの工場は信州のため、海外市場で必須のメード・イン・ジャパンが刻印される事も大切な要素で、コシナ製のニコン、キャノン、ヤシカ、オリンパス、リコー各社の名前と外観が異なる姉妹機が輸出された次第である。ペンタックスとミノルタは中国の工場でマニュアルフォーカス機を生産、コニカは日野工場で生産した最終モデルをこれらの市場に出荷し、15~20年後にパリの中古カメラ店のウィンドーを賑わす事になった。

ごちゃごちゃの店内で、掘り出し物探索が楽しいユーロフォト、写真の「パリのカメラファン」とは一緒に一周した俄か友達。

ごちゃごちゃの店内で、掘り出し物探索が楽しいユーロフォト、写真の「パリのカメラファン」とは一緒に一周した俄か友達。

銀座の中古カメラ店的に綺麗な品が多いオデオン

銀座の中古カメラ店的に綺麗な品が多いオデオン


オリンパスOM2000

オリンパスOM2000


ヤシカFX-3

ヤシカFX-3

ニコンFM-10(唯一の現役製品)

ニコンFM-10(唯一の現役製品)


リコーXR-8(輸出名はKRシリーズ名)

リコーXR-8(輸出名はKRシリーズ名)

アグファ・ラピットフィルムとフィラニア・インスタマチックフィルム

アグファ・ラピットフィルムとフィラニア・インスタマチックフィルム

私のお気に入りの店は、ごちゃごちゃ店内のユーロフォトと綺麗な品が整然と並んでいるオデオン。「日本人なのに何故日本製品に関心があるのか」との質問を受けながら、前回も国内幻のキャノンT60を見つけ価格と外観から購入を迷った経緯がある。総じて海外の人はライカ等の高級カメラは別として、あまり丁寧にカメラを取り扱わないためか中古カメラの程度が悪い。特に普及機には「美品」なんて存在しないと思える程である。前回の買物は、アグファのラピッドフィルムとイタリアのフィルムメーカー・フィラニア製のインスタマチックフィルムを購入にとどまった。勿論、とうに生産中止のフィルム。
カメラ店巡りを二周もすると空港に向かう時間が迫っている事に気付いて慌てることがしばしばである。(尾崎)