とにかく可愛らしい110フィルムカメラ・ペンタックスオート110
「110」と書いて「ワンテン」と読みます。このサイトに興味のある人は知っている人が多いのではないでしょうか。「110」はフィルムの呼称です。コダックが72年に開発、その後1980年代初めにかけて、それに見合ったカメラが登場しました。フィルムサイズは13×17ミリ。面積では35ミリ版の1/4程度しかありません。2000年以降はトイカメラの分野で使われてきました。しかし09年9月をもって、富士フィルムが110用のネガカラーフィルム「スーパーG100」の販売を終了しました。「110ファン」としては寂しい限りです。
とにかく可愛らしい110カメラ
コダック・フジフィルムの110フィルム群
どういうわけか、小生、以前にペンタックスの「オート110」を購入してしまいました。このカメラ、店のウインドーの片隅に置かれていました。もちろん「110」の存在は知っていましたが、そのかわいらしさに思わず手を出し、気がついた時には購入していました。衝動買いですね。
110フィルムのサイズ比較
(上:35ミリフィルム・下:110フィルム)
コダックエクトラ 110ポケットカメラ
(1980年発売)
その後、またそのカメラ店から連絡があり、後継機種の「オート110スーパー」も入手しました。レンズは親指大の標準レンズから、ボディーより大きいズームレンズまでほとんど揃えてしまいました。ストロボ、オートワインダーまで製品化していますから、ペンタックスの本気度とともに会社自身の「遊び心」がうかがえます。文字通り世界最小の一眼レフ、そしてシステムカメラでした。
ペンタックスオート110(右)とオート110スーパー(左)
苦労したのは視度補正レンズです。カタログでは当時発売されている、とありましたが、どこで聞いても「入手困難」との返事。ところが探し始めて2年目、焼津市のカメラ店にこのレンズがあることが分かり、同好の後輩が連絡して来てくれました。早速入手しました。相当なレア品であることは後で知りました。


少し、この「オート110」について説明してみます。絞り機構はなくボディーについている2枚羽根シャッターが絞りの役割をします。レンズは24ミリ(標準)のほか、18ミリ(広角)、50ミリ、70ミリの望遠、それに20-40ミリのズームがありました。35ミリ換算では×2倍と見て良いでしょう。標準の24ミリは48ミリということになります。レンズはすべてf値=2.8。これもペンタックスの設計思想だったのでしょう。79年に「オート110」が発売された後、83年には「オート110スーパー」へと進化しました。露出補正機能が付き、フィルム巻き上げがレバー1回で済むようになりました。「オート110」はダブル巻き上げでしたから便利になりました。
20-40ミリズームレンズを付けたオート110
フィルムは2009.9月生産終了のフジスーパーGフィルム
専用ストロボを付けたオート110スーパー
レンズは標準24ミリ
このカメラ、撮影していると「何、それ?」と寄って来られて困りました。そのつど説明するのですが撮影するヒマがなくなってしまいます。撮影済みフィルムをラボに出して戻ってくるまで2週間程度かかりました。ただ「どうなのかな」と写りの具合を待っている気持ちは受験生のように待ち遠しいものでした。それが出来なくなってしまうのは残念至極です。


「110カメラ」は、ミノルタが76年に「110ズームSLR」を出し、80年には「110ズームSLRマーク2」を発売しました。TTL測光を採用した本格的な一眼レフでした。キャノンもポケット版の「110ED」を75年に発売しています。「110ED」は26ミリf2レンズを装着、シャッタースピード=8-1/500秒。ピント合わせは二重像合致式の本格派です。数年前、新橋の「大庭商会」で見かけましたが、手を出すにはいたりませんでした。
ペンタックス「オート110」、「オート110スーパー」の作例を本稿で紹介していますが、レンズは両端の歪みがやや強いように感じられます。ただ、あの小さなカメラでここまで写る、それだけで十分に満足でした。(09.11=上野記)
